双子ママが復職断念→せどりで扶養内節税した話【家事按分の使い方まで解説】
📖 この記事の目次
※本記事はプロモーションを含みます。
双子が生まれてから、妻のことを一番つらかったと思うのは出産直後じゃなくて、「会社に戻れない」とわかった瞬間だったと思う。
妻は出産前まで正社員として働いていた。双子の育休明けに復職する予定だったし、俺もそのつもりで家計の計画を立てていた。でも双子育児のハードさは、そんな計画をあっさり崩してくれた。
サクラとモモが10ヶ月を過ぎた頃、妻は会社に「もう少し待ってほしい」と連絡した。体調が戻らない。2人同時の夜泣きで睡眠が取れない日が何週間も続いていて、正直、フルタイムで仕事できる状態じゃなかった。
その話を聞いたとき、俺は「そうか、仕方ない」とは言えなかった。正直に言うと、「これで俺1馬力か」という焦りがまず来た。家計のシミュレーションが一瞬で崩れる感覚。
でも同時に「妻に無理をさせて復職させても、どちらにとっても良くない」とも思っていた。
結果的に妻は復職を断念し、在宅で何か稼ぐ方法を探し始めた。その過程がいろいろあって、今はせどりで月に安定した収入を得るまでになっている。そして扶養の範囲内で稼ぎながら、家事按分を使って経費を最大化するという節税の形に落ち着いた。
この記事では、その経緯と具体的なやり方を全部書く。
まずハンドメイドに挑戦して、派手に失敗した
在宅で稼ぐと聞いて最初に出てきたのが「ハンドメイド販売」だった。妻も裁縫は得意なほうだし、minneやCreemaで自分の作ったものを売れれば素敵じゃないか、という話になった。
俺も最初は「それいいんじゃないか」と思っていた。
妻が選んだのはベビー小物。ガーゼハンカチや布マスク、名前入りのスタイ(よだれかけ)。双子育児で「こういうの欲しかった」と思ったものを商品化しようとした。
失敗した理由
やってみてわかったことがいくつかある。
材料費が思ったより高い。かわいい生地を揃えようとすると、1枚の材料費が500〜800円かかる。それで完成品を1,500円で売っても、利益は実質700〜1,000円くらい。制作時間が1時間かかるとすると、時給換算で壊滅的だ。
双子の世話をしながら制作できない。サクラとモモが起きている間は手を動かせない。昼寝の時間に作業しようとしても、2人の昼寝タイミングがバラバラで、まとまった時間が取れない。
売れない。出品してから1ヶ月で売れたのが3点。プラットフォームの中に出品者がたくさんいて、新規出品者の商品は見つけてもらいにくい。フォロワーもいない、レビューもない状態から売れるようになるには相当な時間と労力がいる。
3ヶ月やって、売上合計が8,000円ちょっと。材料費を引いたら利益は3,000円くらいだった。
妻は「向いてないのかな」と落ち込んでいた。俺は「向き不向きの問題じゃなくて、仕組みの問題だ」と思っていた。
せどりへの方向転換
ハンドメイドに見切りをつけてから、俺がいくつか調べて提案したのが「せどり」だった。
せどりとは、ざっくり言うと「安く仕入れて高く売る」ビジネスだ。
Amazonや家電量販店で割引になっている商品、メルカリで安く出ている商品を仕入れて、より高い値段がつくところで売る。在庫を持つリスクはあるが、一度仕組みを作れば効率よく稼げる。
妻が選んだのは、最初は「本せどり」だった。ブックオフで安く買った本をAmazonで売るやつ。リスクが低くて、仕入れに使う金額も少なくて済むので、まず試してみるのに向いている。
軌道に乗るまでの過程
最初の月は売上が5,000円。利益は3,000円くらい。「ハンドメイドより効率はいいな」という感触。
3ヶ月目で月2万円の売上になった。せどり専用のスマホアプリ(バーコードを読み込むと仕入れ価格と売値の差額がわかるもの)を使い始めてから、効率が上がった。
半年後には月5万〜8万円の利益を安定して出せるようになっていた。
仕入れは主にブックオフのセール日とAmazonタイムセール。売り場はメルカリとAmazon。最初は本・ゲームソフト・DVDを中心に扱っていたが、徐々に利益率の高い家電・日用品にも広げていった。
双子の世話をしながらでも、スキマ時間にスマホで出品作業ができる。ハンドメイドのように「まとまった作業時間」が必要ないのが、育児中の妻には合っていた。
始める前に確認しておきたいこと
せどりで中古品を「繰り返し仕入れて売る」場合、原則として古物商許可が必要になることがある。営業所を管轄する警察署で申請する手続きで、無許可で営業すると罰則の対象になり得るため、事業として続けるなら早めに確認しておきたい。
また、専業主婦(夫)の場合は所得が一定額を超えると確定申告が必要になる。給与をもらっている人が副業でせどりをするケースでは、給与以外の所得が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要、というのが基本的な目安だ(住民税は別に申告が必要な場合がある)。詳しい判定は国税庁や自治体の案内で確認してほしい。
扶養内に抑えるメリットと「壁」の整理
せどりが軌道に乗り始めたタイミングで、次に考えたのが「いくら稼ぐか」だった。
「稼げるだけ稼げばいい」ではなく、「扶養の範囲内で稼ぐ」ほうが、家計全体で見ると得になるケースがある。
ここで重要な「壁」を整理しておく。
扶養の3つの壁
| 壁の種類 | ライン | 内容 |
|---|---|---|
| 配偶者控除(所得税) | 配偶者の合計所得58万円以下(令和7年分から。改正前は48万円以下) | 配偶者控除(最大38万円)が夫の所得から引ける |
| 社会保険の扶養 | 年収130万円未満 | 妻が夫の健康保険の扶養に入れる(保険料の負担なし) |
| 配偶者特別控除の満額 | 配偶者の合計所得95万円以下(令和7年分から。給与収入のみなら年収160万円以下) | 夫の配偶者特別控除38万円が満額適用される(夫の所得が一定額以下の場合) |
重要:せどりは「売上」ではなく「所得(利益)」で計算する
ここが非常に大事なポイントだ。
給与所得者の場合、「103万円の壁」という話が長く語られてきた。これは「給与収入103万円 = 給与所得控除55万円 + 基礎控除48万円」で所得ゼロになるラインだった(改正前の数字)。
だがせどりは事業所得(または雑所得)なので、給与所得控除は使えない。適用されるのは原則基礎控除のみだ。基礎控除額は令和7年(2025年)分の改正で引き上げられたが、本人の合計所得金額によって段階的に変わる(合計所得132万円以下なら95万円など)。改正前は一律48万円だった。
つまり、せどり(事業所得・雑所得)で所得税がかからないラインは、おおむね**「所得が自分に適用される基礎控除額以下」**になる。自分の適用額は国税庁の最新情報で確認してほしい。
事業所得の計算式はこう:
事業所得 = 売上 − 仕入れ原価 − 経費(送料・梱包材・アプリ代 etc.)
売上が100万円あっても、仕入れや経費で60万円使っていれば、所得は40万円。これなら基礎控除の範囲内に収まり、所得税はかからない計算になる。
逆に言えば、経費をしっかり計上することが節税の鍵になる。
社会保険の130万円の壁
社会保険の扶養判定は、売上ではなく収入(= 売上 − 仕入れ − 経費)ベースで年130万円未満が条件だ。
ただし、健康保険組合によって判定基準が異なる場合があるため、夫の勤め先の健保組合に確認することを強くおすすめする。
2025年〜の改正議論について
令和7年(2025年)分の所得から、所得税の基礎控除が引き上げられた(令和7年度税制改正)。改正前は一律48万円だったが、改正後は本人の合計所得金額に応じて段階的な金額(合計所得132万円以下なら95万円など)になっている。あわせて、配偶者控除・扶養控除の対象となる所得要件も48万円以下→58万円以下に変更された。控除額は人によって変わるので、正確な数字・最新情報は必ず国税庁のサイトや税理士に確認してほしい。
家事按分の使い方(具体例あり)
経費の最大化で特に効果が大きいのが「家事按分」だ。
家事按分とは
自宅で仕事をしている場合、自宅にかかるコスト(家賃・光熱費・通信費など)の一部を「事業用の経費」として計上できる制度だ。
「家の中の一部を事業所として使っている」という考え方で、家全体のコストのうち、事業に使った分の割合を経費にする。
経費にできるもの一覧
| 費用項目 | 按分のポイント |
|---|---|
| 家賃・住宅ローン利息 | 事業スペースの床面積÷全床面積 |
| 電気代・ガス代・水道代 | 仕事に使う時間の割合や面積割合で按分 |
| インターネット通信費 | 仕事で使う割合(時間・用途ベース)で按分 |
| スマホ代 | 仕事で使う割合で按分(通話記録が証拠になる) |
| 宅配・梱包材 | せどりの場合は仕入れ・出荷に直接かかるので全額経費 |
按分割合の計算方法
床面積比(家賃・光熱費向き)
例:マンション60㎡のうち、6畳(約10㎡)を作業スペースとして使用
→ 按分割合 = 10㎡ ÷ 60㎡ ≈ 16.7%
時間比(通信費・スマホ代向き)
例:1日のスマホ使用時間8時間のうち、仕事で使うのが2.5時間
→ 按分割合 = 2.5 ÷ 8 ≈ 30%
具体的な計算例
我が家の実例をざっくり公開する。
| 費用項目 | 月額 | 按分割合 | 月額経費 |
|---|---|---|---|
| インターネット料金 | 5,500円 | 30% | 1,650円 |
| スマホ代(妻分) | 7,700円 | 30% | 2,310円 |
| 電気代 | 12,000円 | 15% | 1,800円 |
| 家賃 | 120,000円 | 15% | 18,000円 |
| 月合計 | 約23,760円 |
月2万3千円の経費計上が家事按分だけで可能になる。年間で約28万円。これが事業所得から引けるのは、税負担の面でかなり大きい。
注意点
証拠書類を残すことが絶対条件だ。領収書・通帳の明細・請求書は必ず保管しておく。
按分割合は合理的な範囲で。税務的に問題になりにくい範囲は通常10〜50%程度と言われている。「仕事で100%使っている」とするのは、よほど明確な根拠がない限りやめたほうがいい。税務調査が入ったときに合理的に説明できる割合を設定すること。
青色申告特別控除との組み合わせ
さらに節税を強化するのが「青色申告の65万円控除」との組み合わせだ。
開業届を税務署に提出して青色申告の承認申請をすると、確定申告時に最大65万円を所得から追加で控除できる。ただし65万円控除には、その所得が事業所得(または不動産所得)であること、複式簿記での記帳と貸借対照表・損益計算書の添付、**e-Taxでの申告(または優良な電子帳簿保存)**といった要件がある。要件を満たさない場合は55万円や10万円の控除になる。なお、せどりが事業所得と認められず雑所得になるケースでは青色申告自体が使えないので、自分のケースがどちらにあたるかは税理士に確認したほうが安全だ。
計算例
せどりの売上:年間200万円
仕入れ・経費(送料・梱包・ツール代):▲120万円
家事按分:▲28万円
事業所得:52万円
↓ 青色申告特別控除(65万円)を適用
課税対象の事業所得:52万円 − 65万円 = 0円(控除しきれる)
つまり売上200万円でも、経費と青色申告控除をきちんと使えば所得税がゼロになるケースがある。
開業届の提出
開業届は税務署に無料で出せる。「個人事業の開廃業等届出書」をお近くの税務署に持っていくか、国税庁のe-Taxでオンライン提出できる。
提出時期は、事業開始から1ヶ月以内が原則。遅れても罰則はないが、青色申告の適用は届出後からになるので、早めに出しておくに越したことはない。
確定申告ソフト
複式簿記が必要な青色申告は、手書きだとかなりしんどい。我が家はクラウド会計ソフトを使って、日々の仕入れ・売上・経費を入力している。確定申告書の作成まで自動でやってくれるので、非エンジニアの妻でも問題なく使えている。
よく使われているのは以下の2つ:
🔗 マネーフォワード クラウド確定申告(無料から始められる)
どちらも無料プランで試せるので、まず触ってみてから選ぶのがおすすめだ。
まとめ
妻が復職できなかったことは、正直最初は焦った。でも今振り返ると、あのとき無理に復職させなくてよかったと思っている。
在宅で稼ぐ道を模索して、ハンドメイドで失敗して、せどりで軌道に乗って。そのプロセスで「家でできる仕事の仕組み」を妻自身が作れた。それは今後の家計にとっても、妻自身のキャリアにとっても、プラスに働いていると感じる。
この記事でまとめた節税の形をおさらいする。
- せどりで稼ぐ所得を把握する(売上ではなく、仕入れ・経費を引いた「利益」で計算)
- 扶養内に収める(所得税の扶養控除・社会保険の扶養を両立できるラインを意識する)
- 家事按分で経費を最大化する(家賃・通信費・光熱費の一部を事業経費に)
- 青色申告特別控除(65万円)を活用する(開業届を出して節税の土台を作る)
「復職できない = 収入ゼロ」ではない。在宅で稼ぎながら、税制を賢く使えば、家計全体でプラスにもなる。
同じ状況にいる双子ファミリーのパパ・ママに、少しでも参考になれば嬉しい。
あわせて読みたい
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の税務・法務アドバイスを行うものではありません。個別の税務相談・確定申告のご判断は、FP・税理士などの専門家にご相談ください。税制は改正される場合があります。最新情報は国税庁のウェブサイト等でご確認ください。
🐾 双子アニマル性格診断(クリックで開く) ▼
名前の画数を入れると、双子の動物キャラ&相性がわかります
※あくまで楽しむためのお遊び診断です(科学的根拠はありません)