学童に行きたがらない小1|「暇」の分解が先、辞めるのは最後


📖 この記事の目次
  1. この記事でわかること
  2. まず、うちだけではないと確認する
  3. 「暇だから帰りたい」の正体を6つに分解する
  4. 理由を引き出す聞き方——尋問にしない
  5. 「なぜ学童に行くのか」を、ちゃんと説明する
  6. 辞める前に試す5手
  7. 辞めるかどうかの判断チェック
  8. 双子の非対称問題——1人は楽しい、1人は嫌がる
  9. 相談先の順番
  10. 双子パパとして思うこと
  11. よくある質問(FAQ)
  12. Q1. 「行きたくない」と言われたら、すぐ辞めさせた方がいいですか?
  13. Q2. 学童を辞める子は、実際どのくらいいますか?
  14. Q3. 双子で1人だけ辞めさせるのは、かわいそうでしょうか?
  15. Q4. 一度辞めたら、また入れますか?
  16. Q5. 「うるさいから嫌だ」は、わがままですか?
  17. Q6. 「そのうち慣れる」と言われました。我慢させて通わせ続ければいいですか?
  18. まとめ:辞めるかどうかの前に、「暇」を分解する
  19. あわせて読みたい
  20. 出典

学童に行きたがらない小1、理由を聞いても「暇だから」しか返ってこない問題。

「朝、玄関で『今日は学童行きたくない』と言われる。仕事に行く直前のあの一言が、いちばんこたえます」「辞めさせるべきなのか、我慢させるべきなのか分からない」——学童(放課後児童クラブ)は、入るまでが大変で、入った後は安心のはずが、実際には入れたあとに「行きたくない」が始まる家庭が少なくありません。しかも小1の言語能力では、嫌な理由を大人が納得する形で説明できません。だから出てくる言葉が「暇」「つまらない」「帰りたい」に集約されます。

🍼 双子パパ部長:一卵性のサクラとモモ(9歳)を育てています。我が家も、放課後の設計を「2人分まとめて1つ」で考えていた時期があったのが正直なところです。まとめた方が親は楽なんです。でも、2人分の意見を別々に聞くようになってから、放課後の話し合いはずいぶん楽になりました。この話は最後の「双子の非対称問題」の章で詳しく書きます。

📌 結論から先に
・順番は「①暇の中身を分解する → ②支援員に相談する → ③週の日数を減らして様子を見る → ④それでも改善しなければ辞める判断」。いきなり退所を決めない。ただし、我慢させ続けるのも正解ではありません
・根拠はこども家庭庁の放課後児童クラブ運営指針(令和7年4月1日から運用)。育成支援の内容の一番目に「こどもが自ら進んで放課後児童クラブに通い続けられるように援助する」と明記されています。つまり「行きたがらない」は、家庭だけで抱える問題ではなく、クラブに相談していいテーマです
・「嫌がるならすぐ辞めさせるべき」説へ——体調や心の不調・トラブルが疑われる場合を除けば、辞める前に試せる手がまだ残っています。この記事で順に並べます

体調や心の不調、友達とのトラブルが疑われるときは、この記事の手順より先に、学校・学童・自治体に相談してください。まずは支援員へ、それでも動かなければ市区町村の担当課へ。指針には要望・苦情の窓口を設置して周知することも書かれています。

この記事を読み終わる頃には、「暇だから帰りたい」の中身をどう見分け、誰に何を相談し、どの条件がそろったら辞めるのかが決まっているはずです。最後に、双子家庭だけが直面する「1人は楽しい・1人は嫌がる」という非対称の話をします。ここは検索してもほとんど出てこない領域なので、我が家の考え方も含めて正直に書きます。

この記事でわかること

  • 「行きたがらない」のは珍しいことではない、と分かる公的データ(年度途中で登録が約4.7万人減っている話)
  • 「暇だから帰りたい」の中身を6つに分解する早見表と、それぞれの最初の一手
  • 子どもから理由を引き出す聞き方(尋問にしないための3つの質問)
  • 「なぜ学童に行くのか」を小1に説明するときの言い方
  • 辞める前に試す5手と、辞めるかどうかの判断チェックリスト
  • 一度辞めると戻りにくい理由(小4の待機児童が最多という現実)
  • 双子の「1人は楽しい・1人は嫌がる」非対称問題への向き合い方
  • 相談先の順番(支援員 → 市区町村 → 学校 → 公的相談窓口)

まず、うちだけではないと確認する

感情の前に、事実を置きます。学童は今、過去最高の混み具合です。こども家庭庁の令和7年の調査(令和7年5月1日現在)によると、放課後児童クラブの登録児童数は1,570,645人で過去最高を更新。クラブ数は25,928か所、支援の単位数は39,424で、こちらも過去最高でした。

そして学年別に見ると、登録児童の内訳は小学1年生が45.6万人(29.1%)と最も多く、小2が26.9%、小3が21.5%。低学年(小1〜小3)だけで全体の約78%を占めます。小1の教室に「学童に行っている子」が大勢いるのは、統計どおりの風景です。

ここからが本題です。同じ調査には、令和7年10月1日時点の速報値も載っています。登録児童数は1,523,192人5月1日時点と比べて47,453人減っています。減少の理由まで調査されているわけではないので断定はできませんが、少なくとも年度の途中でクラブを離れる子が相当数いることは数字に表れています。「行きたがらない」で悩んでいるのは、あなたの家だけではありません。

もう一つ、環境側の事実も押さえておきます。運営指針は、こども集団の規模(支援の単位)について「おおむね40人以下」、専用区画の面積は「こども1人につきおおむね1.65平方メートル以上」を求めています。ところが実際の登録児童数の規模別で見ると、40人までの支援の単位は全体の約58%。裏を返せば、41人以上の支援の単位が約42%あります(41〜50人が24.8%、51〜60人が9.5%、61〜70人が3.9%、71人以上が4.0%)。1人当たり1.65平方メートル以上を確保しているクラブは85.1%でした。

つまり、「うるさい」「落ち着かない」「ゆっくりできない」という子どもの訴えは、わがままではなく環境の説明である場合があるということです。ここを分けて考えられるかどうかで、親の対応はかなり変わります。

「暇だから帰りたい」の正体を6つに分解する

小1が使える語彙で、放課後の不満はだいたい「暇」「つまらない」に圧縮されます。でも中身は違います。よくあるパターンを6つに分けました。

子どもの言い方中身としてありがちなものまず確認すること
「暇。やることがない」遊びの選択肢が合っていない・持ち込み可の物が少ない・同じ遊びの繰り返しクラブでどんな遊びができるか。本や道具、外遊びの時間の有無
「うるさい。疲れる」人数が多い・空間が狭い・音が響く。感覚的にしんどい支援の単位の人数、静かに過ごせる場所や休める場所があるか
「一緒に遊ぶ人がいない」クラスの友達が学童にいない・学年混合の輪に入りにくい誰と過ごしているか。同じクラスの子が何人いるか
「宿題やりたくない」学童で宿題を終わらせる運用が合っていない・分からなくて止まる宿題の時間の運用と、分からないときにどうしているか
「みんな帰ってるのに、なんで自分だけ」学童に行かない子への羨望。放課後に遊べない不公平感帰宅組の友達と遊べる曜日を作れないか
「先生(支援員)が怖い・注意される」集団運営上のルールと本人の相性。特定のやりとりが尾を引いている何を注意されたのか。事実関係をクラブ側にも確認

この6つのうち、上の4つは環境と運用の調整で改善する余地があるものです。5つ目は気持ちの問題なので、放課後の設計そのものを見直す話になります。

⚠️ この表に入れていない、別扱いのケース
けんか・仲間はずれ・いじめのような人間関係のトラブル、けがの心配、体調や気持ちの落ち込みが続いている場合は、「暇」の分解の話ではなく、すぐに大人が動く話です。迷ったら、様子を見るより先に伝えてください。

運営指針も、こどもの間でいじめ等の関係が生じないよう配慮し、問題が起きたときは早期対応に努め、学校等関係機関と連携して対応するとしています。

なお、私はここで発達や心の状態について何かを判断できる立場にありません。眠れない・食べられない・登校自体をいやがる・体の不調が続くといったサインがあるときは、この記事の手順ではなく、学校の担任やスクールカウンセラー、かかりつけの医療機関にご相談ください。

理由を引き出す聞き方——尋問にしない

「今日どうだった?」「べつに」。この往復で終わってしまうのが小1です。うちの2人もそうでした。9歳になった今でこそ他愛もない話を延々してくれますが、小学校に上がったばかりの頃は、聞き方を間違えると口を閉じました。

引き出したいなら、質問を具体的に、狭くします。効きやすいのは次の3つです。

1. 「今日、誰と何して遊んだ?」 「楽しかった?」ではなく、事実を聞きます。答えの中に、一緒にいる子の名前が出るかどうかが情報になります。名前が出てこない日が続くなら、5つ目や3つ目のパターンを疑います。

2. 「一番つまらなかったのは、何時ごろ?」 時間帯を聞くと、不満の場所が特定できます。「宿題の時間」なのか「おやつのあと」なのか「お迎えを待っている時間」なのか。時間が分かれば、クラブに相談するときの解像度が一気に上がります。

3. 「学童に何があったら行きたくなる?」 子どもの要望はときどき驚くほど小さいものです。「読みたい本がある」「外で遊べる日を増やしてほしい」程度の話であれば、支援員に伝えるだけで変わる可能性があります。

聞くタイミングも大事です。玄関で靴を脱ぎながら、夕食の準備をしながら、風呂の中で。正面から向き合わない方が、子どもは話します。我が家は、父がふざけて娘たちに本気でツッコまれる、あのゆるい空気の中でいちばん話が出てきます。真剣な顔で「大事な話がある」と切り出すと、たいてい構えられて終わります。

「なぜ学童に行くのか」を、ちゃんと説明する

見落とされがちですが、これが効きます。運営指針の育成支援の内容には、こう書かれています。

こどもが自ら進んで放課後児童クラブに通い続けられるように援助する。 放課後児童クラブに通うことについて、その必要性をこどもが理解できるように援助する。その際、こどもの意見も踏まえ、その権利が侵害されないよう、保護者や学校等関係機関と連携して対応する。

「必要性をこどもが理解できるように援助する」——これはクラブに向けた文章ですが、家庭でも同じことができます。小1にとって学童は「親の都合で行かされる場所」です。理由を知らされないまま毎日行かされたら、大人でも気が滅入ります。

説明の仕方はシンプルでいいと思っています。働いている理由と、家族の暮らしがつながっていることを、事実として伝える。うちの娘は以前、私に「パパの会社、ありがとうね」と言ったことがあります。こちらが説教として話したわけではなく、日常の会話の中で仕事の話をしていた延長でした。子どもは、意味が分かれば意外なほど受け入れます。逆に「決まりだから」「みんな行ってるから」だけだと、納得の材料がゼロのままです。

あわせて、期限も伝えます。「◯年生になったら考え直そう」「まずは夏休みまでやってみよう」。終わりが見えると、子どもの我慢はまったく別物になります

辞める前に試す5手

いきなり退所を決める前に、打てる手を並べます。上から順に、コストの低い順です。

手1:支援員に「行きたがらない」と伝える 一番効果が大きいのに、一番使われていない手です。運営指針は、支援員が子どもの様子を日常的に保護者に伝え、保護者と互いに子どもの様子を伝え合えるようにするとしています。さらに、遊びや生活の場面で子どもの状況や体調、情緒を把握し、静養や気分転換が必要なときには適切に対応するとも書かれています。家で言っていることを伝えれば、クラブ側の見え方が変わります。「クレームになるのでは」と気にする方がいますが、これは苦情ではなく情報共有です。

手2:週の日数を減らす 毎日行くから苦しいのであって、週3日なら平気、というケースは珍しくありません。利用日数を変えられるかは自治体・クラブによりますが、「行かない日」を作れるかどうかは聞いてみる価値があります。減らした日をどう埋めるかは次章の代替設計の話です。

手3:習い事を1日入れて「抜ける日」を作る 学童から習い事に移動できる運用があるクラブもあります。本人にとっては放課後に別の世界ができるので、暇の解消に直結します。費用は増えますが、退所して親の働き方を変えるより安く済むことが多い。双子の習い事の費用感は双子の習い事、費用はいつからいくら?にまとめています。

手4:持ち物と過ごし方を調整する 本、折り紙、塗り絵、カードゲームなど、持ち込みのルールはクラブごとに違います。「暇」の正体が単純に手持ち無沙汰である場合、これで解決することがあります。ルールの範囲内で何が持ち込めるか、確認してみてください。

手5:お迎え時刻を早める日を作る 週に1日だけ早く迎えに行く。それだけで「ずっといなきゃいけない場所」が「今日は早く帰れる場所」に変わります。在宅勤務日があるなら、そこに合わせるのが現実的です。夫婦のどちらが動くかを決め打ちにしないことが前提で、この分担の考え方は子育てにおける父親の役割とは?にも書きました。

辞めるかどうかの判断チェック

5手を試しても状況が変わらないなら、辞める選択は十分にありえます。感情ではなく条件で決めるために、次の項目を確認してください。

確認項目見るポイント
安全に過ごせる代替があるか留守番なら、時間の長さ・火や風呂・玄関の対応・連絡手段が決まっているか
親の帰宅までの空白時間実際に何時間空くのか。曜日ごとに数える
長期休みはどうするか夏休みは朝から夕方まで丸ごと空く。平日と別に設計が要る
本人の状態「暇」なのか、体調や気持ちの落ち込みが続いているのか
再入所できるか一度辞めた後、年度途中や翌年に入り直せる見込みがあるか
双子の場合、片方だけか2人ともか2人セットで決めていないか(後述)

特に見落としやすいのが再入所の見込みです。

⚠️ 一度辞めると、同じ枠が空いている保証はない
令和7年の調査では、待機児童数16,330人のうち小学4年生が5,589人(34.2%)と最多で、小1の1,966人(12.0%)を大きく上回ります。高学年になるほど入りにくくなる構造があるということです。「小1で辞めて、小3でやっぱり必要になった」ときに、同じ枠が空いている保証はありません

これは辞めるなという意味ではなく、辞めるなら代替の設計まで含めて決める、という意味です。

なお、退所するときは黙って消えないでください。運営指針は、こどもが退所する場合、その子の生活の連続性や家庭の状況に配慮し、保護者からの相談に応じて適切な支援への引き継ぎを行うとしています。相談してから辞める。それだけで、次につながることがあります。

辞めた後の放課後をどう組み立てるかは、小1の放課後、共働きはどう過ごす?選択肢マップに、公設学童・民間学童・習い事・放課後子供教室・ファミサポ・留守番の6つを時間と費用で比較した表を載せています。民間学童に切り替える場合の実額は民間学童の費用相場、双子2人分は年いくら?をどうぞ。ここは双子だと本当に効いてくる金額です。

双子の非対称問題——1人は楽しい、1人は嫌がる

ここからが、双子家庭の本題です。

双子で学童に通わせると、そこそこの確率で起きるのが「片方は楽しそうに通っているのに、もう片方が行きたがらない」という状態です。同じ日に生まれ、同じ家で育ち、同じ学校に通い、同じクラブに入っているのに、反応が真逆になる。親からすると理不尽にすら感じます。

でも、これは不思議なことではありません。一卵性でも中身は別人です。我が家の場合、おそろいの服を着てくれたのは3歳くらいまでで、4歳あたりから自我が出てきて、だんだんおそろいを嫌がるようになりました。寝相ひとつとっても、長女は派手に動き、次女は小さく収まって寝ます(因果は分かりません。うちの場合の話です)。同じ環境に置いても、感じ方は別々。学童も同じです。にぎやかな集団が楽しい子と、疲れる子がいます。

問題は、親がつい「双子は2人セット」で決めてしまうことです。ここで押さえたい考え方が3つあります。

1. 「2人とも辞める」も「2人とも続ける」も、自動的な正解ではない 嫌がっている方に合わせて2人とも辞めさせると、楽しく通っていた方が居場所を失います。逆に、楽しんでいる方に合わせて2人とも続けると、嫌がっている方の我慢が積み上がります。まず、2人を別々に評価してください。片方だけ日数を減らす、片方だけ習い事を入れる、といった非対称な運用は、制度上できないと決まっているわけではありません。クラブと自治体に聞いてみる価値はあります。

2. 「もう1人がいるから大丈夫」は、両刃 双子の強みは、知らない場所でも最初から味方が1人いることです。ここは単胎の子にはない安心材料で、実際に助けられる場面は多いはずです。ただし裏面もあります。2人でくっついていると、他の子との関係が広がりにくいことがあります。「一緒に遊ぶ人がいない」と訴えている側が、実はきょうだいとしか遊んでいなかった、というパターンです。誰と遊んだかを聞くとき、きょうだいの名前しか出てこないかどうかは、一つの目安になります。

3. 比較の言葉を使わない これは徹底したいところです。「お姉ちゃんは楽しそうに行ってるよ」は、励ましのつもりでも「あなたが劣っている」というメッセージとして届きます。双子は生まれてからずっと比較にさらされているので、この一言の重さが単胎の子とは違う。伝えるなら「あなたはどう思う?」だけで十分です。

我が家の2人が学童でどう過ごしたかの細かい話は、娘たちの特定につながるので伏せますが、放課後の設計を「2人分まとめて1つ」で考えていた時期があったのは事実です。手間はまとめた方が楽ですし、送り迎えも1回で済む。ただ、そのやり方は親の都合であって、子どもの都合ではありません。2人分の意見を別々に聞くようになってから、放課後の話し合いはずいぶん楽になりました。

相談先の順番

家庭で抱え込む必要はありません。順番だけ決めておきます。

  1. 学童の支援員……日々の様子を一番見ている人。まずここ。運営指針も、子どもが支援員に悩みや相談事を話せる信頼関係を築くこと、保護者からの相談に応じることを求めています
  2. クラブの要望・苦情の窓口……指針は、要望や苦情を受け付ける窓口を設置して子どもや保護者に周知すること、苦情対応は市町村と運営主体が連携して仕組みを整えることを求めています。窓口がどこかは、運営規程や配布資料で確認できます
  3. 市区町村の担当課……放課後児童健全育成事業は市町村が行う事業です。クラブとの間で解決しないときの相談先になります
  4. 学校の担任・スクールカウンセラー……学校生活側に理由がある場合はこちら。指針も、子どもがクラブに通うことについて学校と情報交換し連携するとしています
  5. 公的な相談窓口……いじめや子どものSOS全般について、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)が夜間・休日を含めて相談を受け付けています。子ども本人からでもかけられます

「こんなことで相談していいのか」と迷ったら、しておいた方がいいです。早く言うほど、選べる手が多い。これは仕事でも育児でも同じでした。

双子パパとして思うこと

最後に、数字ではない話を少し。

「暇」という訴えを、私はしばらく軽く見ていました。暇なら結構じゃないか、と。でも、大人にとっての暇と、子どもにとっての暇は違います。子どもの「暇」は、自分で環境を変えられない状態への不満であることが多い。帰る時間も、遊ぶ相手も、遊ぶ道具も、自分では決められない。そこで「暇」としか言えないのは、むしろ正確な表現だったのかもしれません。

そう考えると、運営指針が育成支援の中身に「こどもが自分の気持ちや意見を表現することができるように援助し、放課後児童クラブの生活に主体的に関わることができるようにする」と書いている意味も分かります。行きたがらない子に必要なのは、我慢ではなく、自分で決められる部分を少し増やすことなのだと思います。

もう一つ、最近あったことを。この夏、9歳の2人と映画を観に行きました。おもちゃがデバイスに取って代わられる、という筋の話です。帰ってきたら、しばらくタブレットばかり触っていた子どもたちが、急にお人形で遊び始めました。環境が変われば、遊びは戻ってくる。あの光景を見て、そう思いました。学童の「暇」も、たぶん似た性質のものです。持ち込める物が1つ増えるだけで、居心地が変わることがある。

学童に行きたがらないのは、親の失敗ではありません。子どものわがままでもありません。環境と本人の相性の問題で、相性は調整できます。調整しても合わないなら、場所を変えればいい。それだけの話です。焦らず、でも抱え込まず、マイペースにいきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「行きたくない」と言われたら、すぐ辞めさせた方がいいですか?

体調や気持ちの落ち込みが続いている、けがやトラブルが疑われるといった場合を除けば、いきなり退所を決めるより先に、支援員への相談と日数の調整を試すのが現実的です。運営指針は、支援員が子どもの様子を日常的に保護者と伝え合い、静養や気分転換が必要なときに適切に対応するとしています。相談は苦情ではなく情報共有です。そのうえで改善しないなら、辞める判断は十分にありえます。

Q2. 学童を辞める子は、実際どのくらいいますか?

理由別の公的な統計はありませんが、こども家庭庁の令和7年の調査では、登録児童数が令和7年5月1日時点で1,570,645人、同年10月1日時点(速報値)で1,523,192人と、年度の途中で47,453人減っています。減少の内訳までは調査されていないため断定はできませんが、年度途中でクラブを離れる子が相当数いることは読み取れます。「うちの子だけが特別」ではありません。

Q3. 双子で1人だけ辞めさせるのは、かわいそうでしょうか?

かわいそうかどうかより、2人を別々に評価したかが大事だと考えています。一卵性でも感じ方は別です。片方だけ日数を減らす、片方だけ習い事を入れるといった非対称な運用ができるかは、クラブと市区町村に確認してみてください。避けたいのは「お姉ちゃんは楽しそうに行ってるよ」のような比較の言葉です。双子はすでに十分比較されているので、家では比べない方が話が進みます。

Q4. 一度辞めたら、また入れますか?

自治体とクラブの状況によります。ただし令和7年の調査では、待機児童16,330人のうち小学4年生が5,589人(34.2%)で最多、小1は1,966人(12.0%)でした。学年が上がるほど入りにくくなる傾向があるということです。辞める前に、年度途中の再申込みができるか、翌年度の選考でどう扱われるかを担当課に確認しておくと安心です。落ちた場合の動き方は学童に落ちたらどうする?双子2人分の緊急対策にまとめています。

Q5. 「うるさいから嫌だ」は、わがままですか?

環境の説明である場合があります。運営指針は支援の単位をおおむね40人以下、専用区画を1人につきおおむね1.65平方メートル以上としていますが、実際には41人以上の支援の単位が約42%あり、1.65平方メートル以上を確保しているクラブは85.1%です(令和7年5月1日現在)。人数と広さは子どもには変えられません。静かに過ごせる場所があるか、休める場所があるかを、クラブに聞いてみてください。

Q6. 「そのうち慣れる」と言われました。我慢させて通わせ続ければいいですか?

我慢のさせっぱなしは、おすすめしません。運営指針は「こどもが自ら進んで通い続けられるように援助する」ことをクラブの仕事として定めており、行きたがらない状態は「慣れ待ち」で放置してよいものとはされていません。うちの場合の実感で効いたのは、我慢ではなく「なぜ学童に行くのか」を事実として説明することと、「◯年生になったら考え直そう」「夏休みまでやってみよう」と期限を伝えることでした。終わりが見えると、子どもの我慢はまったく別物になります。それでも改善しなければ、日数の調整や退所を検討する段階です。

まとめ:辞めるかどうかの前に、「暇」を分解する

  • 学童の登録児童数は過去最高の1,570,645人。うち小1が29.1%、低学年で約78%。一方で年度途中(5月→10月)に約4.7万人減っている。行きたがらないのも、離れるのも、珍しいことではない
  • 「暇だから帰りたい」は6つに分解できる。遊びが合わない/うるさい・疲れる/一緒に遊ぶ人がいない/宿題/帰宅組への羨望/支援員との相性。中身で打つ手が変わる
  • トラブル・けが・体調や気持ちの不調が疑われる場合は分解の話ではない。先に相談する
  • 運営指針は「こどもが自ら進んで通い続けられるように援助する」と定めている。行きたがらないことは、クラブに相談していいテーマ
  • 辞める前に試す5手は、支援員に伝える → 日数を減らす → 習い事で抜ける日を作る → 持ち物・過ごし方の調整 → 早お迎えの日を作る
  • 辞める判断は感情ではなく条件で。特に再入所の見込みは要確認(待機は小4が最多の5,589人)。退所時は引き継ぎの相談を
  • 双子は2人セットで決めない。別々に評価する、「もう1人がいるから大丈夫」を疑う、比較の言葉を使わない

学童は、合わなければ辞めてもいい場所です。ただ、辞める前にできることが思ったより残っている——というのが、調べてみた結論でした。冒頭に書いたとおり、我が家も放課後の設計を「2人分まとめて1つ」で考えていた時期がありましたが、2人の意見を別々に聞くようになってから、話し合いはずいぶん楽になりました。まずは「暇」の中身を、ひとつ聞いてみるところから。

※本記事は2026年8月時点の情報です。利用日数の変更・持ち込みのルール・退所や再入所の手続き・相談窓口は、自治体とクラブによって大きく異なります。最終確認はお住まいの市区町村と利用中のクラブへお願いします。また本記事は、子どもの発達や心身の状態について何らかの判断を示すものではありません。気になるサインがあるときは、学校・自治体・医療機関にご相談ください。

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出典


筆者は、一卵性双生児のサクラとモモを9歳まで育てている現役の双子パパ部長(営業部長)です。本記事は、学童(放課後児童クラブ)に行きたがらない子への向き合い方について、こども家庭庁の運営指針・実施状況調査などの一次情報をもとに整理したものです。子どもの発達や心身の状態に関する判断は行っておらず、我が家の学童利用の詳細は子どもの特定につながるため記していません。制度・運用は自治体とクラブで大きく異なるため、確定していない部分は「目安」「場合がある」として正直に書いています。最終確認は市区町村・クラブ・学校にお願いします。

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双子パパ部長

一卵性双生児の父。サラリーマン営業部長として働きながら双子育児に奮闘中。 双子ならではの「3倍の喜び・2倍の大変さ」をリアルに発信しています。

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